3/16に行うコンサート〈Next Circle〉に出演くださる皆さんのことを書いていきます。
写真は私がリハや本番の際に撮ったものを添付してます。
1回目はギタリストの大萩康司さん。(アルバム「コーリング・ユー」リリース時、インタビューの待ち時間でのショット)
初めて生の音を聴いたのはつのだたかしさん主催のコンサート「ギターのエルドラド」だったかと。沖仁さん、アリエル・アッセルボーンさんらと共に大萩さんも演奏され、ソロやデュオが聴けました。
一聴して、その音の純度にうたれたのを覚えてます。
この「うたれる」という感覚、思えば3月のコンサートにご一緒いただくプレイヤー皆さんの音に共通するものです。
懐かしの昭和の漫画「エースをねらえ」の中にこんな記述がありました。
”美しさとはある衝撃”___だったかな。
つまり、出会った瞬間びっくりしてしまう、ぼーっとしてしまう、「美」とはそういうものだよ、という。漫画の中ではテニスのフォームについて語られていたと思いますが、素晴らしいパフォーマンスにうたれるたび、思い出すひとコマです。
大萩さんの音の美しさに驚いたのと同時に、その演奏のスタイルには不思議な個性を感じました。なんの動物だろう?という感覚です。彼は自他共に認める犬好き(しかし猫を飼っている)ですが、ステージ上の彼の佇まいから感じたのは、いわゆる「犬」でなく、しかし「狼」でも「コヨーテ」でもなく、何かその間(あわい)の生き物。
独自のしなやかな爪を持ち、歩き方、座り方も少しずつ、どの「犬族」とも違う。
やんちゃでいて、どこか哀しみを秘めた音を発し、そしてそれを聴き分ける耳を持っている。
私にとって大萩さんの音は、琥珀色に透き通る樹液、生き物のしなやかな背中です。