Concert

風ぐるまコンサート
2019年4月26日(金)19時 ムジカーザ(代々木上原)
「ふりむん経文集」高橋悠治 *初演
「コールドソング」パーセル
「ひとつの音」コルネリウス
チケット取り扱い/お問い合わせ ダウランド アンド カンパニイ

風ぐるまコンサート
「まつおかさんの家」
CD発売記念コンサート
6月5日(火)19時開演
東京オペラシティ リサイタルホール
新作初演「まつおかさんの家」詩:辻征夫 曲:高橋悠治
「こんじじじのきたくれば」元永定正の絵本「ちんろろきしし」より
「ピアノソナタ 変ロ短調」 チマローザ
「美しさが哀しみを纏うと」 ヘンデル
「鳥のカタコト 島のコトカタ」高橋悠治

風ぐるま
異色のトリオ「風ぐるま」の1stアルバム。バロックと高橋悠治の新作を収録。
波多野睦美=声 栃尾克樹=バリトンサックス 高橋悠治=作曲・ピアノ
PAU-8001
2593円(税抜き)
取扱:ダウランドアンドカンパニイ http://www.dowland.jp
CD

風ぐるま2
《鳥のカタコト 島のコトカタ》
《時代を越えて音楽の輪を回す》トリオ2作目となるCD
詩人・時里二郎の独自の世界を高橋悠治が音楽にする
モノオペラ 「納戸の夢 あるいは夢のもつれ」と
未完のバラッド「鳥のカタコト 島のコトカタ」を収録
波多野睦美=声 栃尾克樹=バリトンサックス 高橋悠治=作曲・ピアノ
PAU-8002 / 2,593円(税抜き)
取扱:ダウランドアンドカンパニイ http://www.dowland.jp
Review
一個人 7月号 2018年6月9日発売
音を楽しむための 今月の3枚 聴く 選者:小沼純一
『風ぐるま2』は、波多野睦美の声、栃尾克樹のバリトン・サックス、高橋悠治の作曲とピアノ、そして時里二郎のテクストで織りなされているアルバム。ひとつは《納戸の夢 あるいは 夢のもつれ》、もうひとつは《鳥のカタコト 島のコトカタ》。声はうたと語りのあいだを行き来し、楽器たちは点から線、線から点へと刻々に音のかたちを変え、ことばは意味やイメージをすっと落としたり、はぐらかしたり、聴いている者を立ちどまらせつつ、さっさと先にいってしまったり。マーケティング上では「現代詩」と結びついた「現代音楽」なのかもしれないが、そんなことより、ことばと音、音と音楽、音・音楽とイメージのゆらぎや乖離が明滅するさまざまを体感する場、メディアとして聴きたい。こういううたもあるんだ、ありうるんだ — それも、シルビアやビートニクスとともにとらえてみると、うたの広さ、奥深さに、ふっとため息をつく。
intoxicate #134 2018年6月20日発行
高橋悠治、波多野睦美、栃尾克樹の顔合わせで2012年に結成され“風ぐるま”の2枚めのアルバムです。時里二郎の詩、高橋さんの作曲による作品集。《納戸の夢 あるいは 夢のもつれ》は、歌唱の部分と語る部分が、凝縮されたピアノとバリトンサックスの音と共に浮遊するように行き来し、その中に夢か現かの幻想的な詩の情景が広がる独特の魅力の作品。《鳥のカタコト 島のコトカタ》も語りと楽器が絶妙に絡み合い、それは高橋さんご自身の“揺らめく声と、楽器の線が交錯する、薄い織物”という表現がぴったり。波多野さんの日本語の美しさが際立ち、お三人の息のあった自在の表現が聴きどころです。(タワーレコード本社 古川陽子)
ぶらあぼ 2018年6月号
声と言葉を操る波多野睦美の表現が深く美しい。詩人・時里が台本を書き下ろした「納戸の夢〜」の創作にあたって、波多野は高橋に「レチタティーヴォ(しゃべり)とアリア(歌)の間で、声が行き来するような曲を」と依頼したという。波多野は上演形態から「モノオペラ」と称しているが、高橋と時里は、おそらくは音と言葉の関係をオペラに対置して、「反オペラ」と呼んでいる。言葉はそれ自身の音、そして楽器の音とも自由に戯れる。その語りと歌のたゆたいをさらにつきつめたのが「鳥のカタコト〜」で、こちらは継続中の「名井島」シリーズからの6つの詩による。(宮本明)
「CDジャーナル」2018年7月号
まもなく傘寿を迎える高齢に達してもなお、旺盛な創作意欲は衰えない高橋悠治。モノオペラとバラッドを収録。高橋作品に欠かせない波多野睦美の声、そして栃尾克樹のバリトンサックスも人の声のごとく響く。夜、ひとり酒を飲みながら、こんな音楽に耳を傾けて瞑想するのも悪くない。(月星拓人)
Profile
1964年宮崎に生まれる。
英国ロンドン トリニティ音楽大学声楽専攻科修了。
1990年シェイクスピア時代のリュートソングでデビュー。
コンサート歌手として多彩なレパートリーの演奏活動を続けるほか、バッハ、ヘンデルなどのオラトリオや受難曲のソリストとしてバッハ・コレギウム・ジャパンなど多くのバロックオーケストラと共演。
オペラの分野ではモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」オッターヴィア役、パーセル「ダイドーとエネアス」ダイドー役、ラモー「イポリートとアリシ」フェードル役、ヘンデル「アルチーナ」ルッジェーロ役、モーツァルト「イドメネオ」イダマンテ役などのバロックオペラや間宮芳生「ポポイ」などに出演。
放送では「NHKBSクラシック倶楽部」「ニューイヤーオペラコンサート」「名曲アルバム」「らららクラシック」「題名のない音楽会」など。
古楽器との多数のCD作品多数。高橋悠治との共演で「ゆめのよる」「猫の歌」のほか、2017年にシューベルトの「冬の旅」を発表。
1963年大阪に生まれる。
喜田賦、阪口新、冨岡和男の各氏にサクソフォーンを師事。
1982-2005年、アルモ・サクソフォーン・クアルテットのメンバーとして活動、7枚のCDアルバムをリリース。
1986年、東京藝術大学卒業。同年、民音コンクール「室内楽」一位入賞。
現在までに、高橋悠治との共演による「影の庭」「ワルツ形式によるカプリス」を含むソロアルバム5枚を発表。
そのうち、「エヴォカシオン~無伴奏サクソフォン作品集」には、高橋悠治作曲「残り火_Embers」収録。
アンソロジーアルバム「Voice of the baritone saxophone」を2017年にリリース。
アンサンブル「カラーズ」の3枚のCDに参加。
東京佼成ウィンドオーケストラ団員。武蔵野音楽大学及び同附属高校、聖徳大学講師。
1938年東京に生まれる。
柴田南雄、小倉朗、ヤニス・クセナキスに学ぶ。
1963-66年フランス、ドイツで現代音楽のピアニストとして活動、
1966-71年アメリカで演奏活動とコンピュータ音楽の研究。
1972年に帰国し、74-76年武満徹らと共に作曲家グループ「トランソニック」 を組織して季刊誌を編集。
1978-85年「水牛楽団」で世界の抵抗歌をアレンジ・演奏、1980-87年月刊ミニコミ『水牛通信』発行。
1976年から画家・富山妙子と映像と音楽による物語の共作をつづける。田中信昭との協同作業でこれまでに合唱音楽を20曲以上作曲。
1991-2006年高田和子のために日本の伝統楽器と声のための作品を作曲。
1992-2003年フォンテックからCDシリーズ『高橋悠治リアルタイム』をリリース。
2006年から栃尾克樹とのコラボレーション。
2008年から波多野睦美のために歌を書きピアノを弾いている。
著書として平凡社から『高橋悠治/コレクション1970年代』『音の静寂静寂の音』、
福音館から富山妙子との共作CD付絵本『けろけろころろ』、みすず書房から『きっかけの音楽』『カフカノート』が刊行されている。