間宮芳生先生との出会いは リンゲルナッツの詩による間宮芳生歌曲集「郵便切手」の演奏でした。
それから、アメリカでの初演「セレナードⅢ_ジェルム」、オペラ「ポポイ」
他の作曲家では、バルトーク「ハンガリー民謡集」、バッハ「農民カンタータ」etc.
様々な企画で貴重な機会をいただきました。中でも「日本民謡集」は、
1999年に先生の70歳の記念コンサートで演奏し、その後に録音。
現在も大切なレパートリーとなっています。
この曲集は、各地で消えて行こうとしている旋律が採集され、そこにピアノパートが作曲されているのですが、特に印象的なのは「草切節」2つ目のフレーズに移る時に大きな跳躍があります。
つい先生に「この跳躍すごいですね」と言ってしまうと、間宮先生は
「ああこれはね、歌ってくれたおばあさんが出だしを低く歌い過ぎたと思ったらしく、
息継ぎの後にポンと変えたんですよ。その跳躍が面白かったので生かしたの」
こんなお話をはじめ、楽譜の古い方には、先生のお宅でレッスンしていただいた時のメモが残ってます。
今月富山で「富山県民謡」4曲を歌うにあたって、河野紘子さんとのリハーサルに古い楽譜を持っていきました。
久しぶりに開くと、ピアノのペダルのことなどもメモしてあり(その時のピアニストは野平一郎さん)
25年前が一瞬にしてよみがえりました。
リハーサルレッスンも、本番も、痺れるような緊張だった・・・。
あの時はよくわからずとりあえずメモしていたことのうち、今は少し楽になったことも有り。
10月27日は富山の地で、澄んだ空気を肺に入れつつ歌いたいと思います。