大阪公演のこと  |ねむれない夜③ |

音楽はそこで聴く人と一緒に つくられるもの__

あらためて深く感じたこの感覚のことを、短く書きとめておきます。
2021年6月17日 大阪・豊中市での「ねむれない夜_高橋悠治ソングブック」に来てくれた方々、協力してくれた皆さんへの感謝とともに。

ホールの空間にはなたれた詩は、何か透明な、動く個体となったようだった。
言葉の一片一片が、自分だけで練習していたときとは全く違う、独立した生き物になった。
客席の上やステージの周りを飛び、立ち止まり、遊び、やがて消える。
歌いながら「あなたはこういう意味の言葉だと思っていたけど、違う顔もあるんだね」と、話しかけたくなった。

あの感覚は、例えるなら、
ある人と1対1でやりとりする時と、他の人が加わって過ごす時と雰囲気が変わる、あの感じに似ていた。

その日だけの、その場にいた人たちとの、一度きりの音楽。

ずっと忘れないだろうコンサートになりました。
写真は、開演前、前日の雨に洗われた緑をバックの悠治さん。